菊丸短編完結
『一日一センチ』という弱すぎる制約を最後まで一度も壊さず、世界を救う十年と石工としての人生を同じ尺度で描き切る短編。
AI REVIEW4.5
父が迷宮へ出たのは、俺が七歳の時だった。 「一週間で帰る」 そう言って家を出た五日後、迷宮の第六層で大崩落が起きる。 父を含む測量隊八人は、地下に取り残された。
持ち主が死ねば黒くなる《帰還札》。 父の札は、何年経っても白いままだった。
俺は大人になり、やがて北門で冒険者たちの帰還を確認する仕事に就いた。 父は帰ってこなかった。
そして二十七年目。 長く閉ざされていた旧第六層へ、新しい道がつながる。
ある日、いつものように帰還者を迎えていた俺の前に、一人の老人が立った。
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